生理不順
月経周期が定まらなく、生活に支障がある場合です。
原因は様々で、遺伝的な素因(糖尿病家系のかた)、体重減少、仕事などの大きなストレス、体調不良などが考えられます。
まずは、超音波検査とホルモン測定により、その原因を特定しましょう。超音波検査では現在の子宮(特に子宮内膜の厚さ)と発育している卵胞の大きさで、現在の状態を推測することができます。その情報に基づいてホルモン採血の項目を決めます。
遺伝的な素因の方は、インスリンという糖代謝のホルモンの働きが悪いため、体重増加が月経不順の程度を悪くします。女性ホルモンの産生にインスリンがかかわっているため、インスリンの働きが悪くなると女性ホルモンの産生が悪くなるため、月経不順となります。
排卵、月経の周期は実は体重がおおきくかかわっています。初経は5年生頃に体重が40kgに達して始まることが多いのです。その後、体重が増加して(体脂肪が増加して)16歳ころに定期的な月経がくるようになります。人間も動物なので妊娠してからエサがあたらなくても貯えがあれば支障なく妊娠が継続できます。ですから貯えがない人は妊娠してはいけない(体が幼い)ので排卵がおこりにくくなります。ですから体重減少が原因の方は体重増加により改善が見込まれます。
また、仕事などの大きなストレスのある方はご本人が気づいていなくても体がストレスを受けて卵巣へ命令する系統のホルモンが低下して結果として生理不順になることがあります。それも程度により、ホルモン検査結果に影響をあたえます。
治療方法は妊娠を考えられている場合と妊娠に関係なく、順調な周期を希望されている場合で異なります。妊娠を希望されている場合は排卵を起こす必要があります。順調な周期を希望されている場合はホルモン剤により周期を作るか、最も簡単な方法として低用量ピルがあります。
患者様のご希望に沿い、一緒に考えさせていただきます。