menopause更年期障害

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更年期障害

加齢とともに起こる排卵機能の低下に伴い女性ホルモン(エストロゲン)の分泌量が減少することをいいます。

更年期とは閉経前後約10年間の時期をいいます。
卵巣機能低下に伴い、卵巣での女性ホルモン(エストロゲン、黄体ホルモン)の産生が低下することにより、月経不順、月経前症候群、無月経が出現する時期です。
更年期障害とは閉経して、エストロゲン産生がなくなるため、血液中のエストロゲンレベルの低下が長期間続き、様々な症状が出現して、生活に支障がおこる状態です。
症状としては、のぼせ(ホットフラッシュ)が中心で、夜中に汗をかいて目を覚ましてしまい、寝不足におちいることで、仕事がうまくはかどらないことから、イライラがおきたり、肩こりがひどくなったりします。時期的に、更年期は仕事をお持ちの方は仕事上の責任が重くなったり、親の介護が必要になったり、子供さんがいればその進学や就職、結婚など、気苦労の多い時期であるため、精神的な負担が増える時期でもあります。この時期に眠れないことが負担を増大させ、精神的肉体的に疲れきった状態になり、社会的にも問題となっています。

治療方法は女性ホルモン補充と漢方薬療法が中心となります。 エストロゲンレベルの低下により起こることなので、女性ホルモンを補充(服用したり、貼り薬や塗り薬)することで症状は改善します。ホルモン補充することで眠れるようになるだけで、負担の軽減となりやすいのです。
このほか、ご本人には自覚症状もないのですが、エストロゲンの低下は骨のカルシウム量を低下させ、将来的に骨粗しょう症(骨折しやすくなる)を発症する原因につながることもあります。また、エストロゲンは動脈硬化をふせぐ作用もありますので、エストロゲン低下は動脈硬化の原因にもなります。女性ホルモンの補充は骨粗しょう症予防、動脈硬化予防にも効果があります。また、エストロゲン補充はアンチエイジングになるため、お肌の艶やお化粧ののりもよくなります。

ただ、女性ホルモン補充には副作用もあります。エストロゲンは血液の凝固因子を活性化するために副作用として血栓症(心筋梗塞、肺梗塞、脳梗塞)のリスクがホルモン補充をしてない方に比べて、少し高くなります。もう一つは乳がんです。乳がんは女性ホルモン依存性があるため、乳がんが発症した場合にその進行度合いが早くなってしまいます。これらのことを了解したうえで症状が強い方は投与していくことがいいと思います。

漢方薬治療はホルモン補充に比べて、明らかな副作用はありませんが、効果はホルモン補充に比べて低いです。また、効果のある期間は短くなります。 診察医とよく相談して納得して治療を受けてください。

■ ホルモン補充療法(HRT)

ホルモン補充療法は、アンチエイジング治療の一つの方法であり、更年期症候群に対する治療でもあります。40歳以降卵巣機能が不安定になり、女性ホルモンの分泌も低下していきます。
持続的に低レベルとなり生理が来なくなった期間が1年経過したら閉経となります。分泌が低下したときに起きる諸症状が更年期障害であり、女性ホルモンが持続的に低値になるために身体的な機能が急激に衰えることになります。ホルモン補充療法は女性ホルモンを付加してあげることで、このような状況を改善しようとする治療です。

ホルモン補充に使われるお薬はいくつかありますが、使用する女性ホルモンは2種類あります。一つはエストロゲン(卵胞ホルモン)、もう一つはプロゲステロン(黄体ホルモン)です。
また、当たり前ですが使用の際は、その用量・用法をきちんと守ることがとても大切なこととなります。

投与方法としては内服、貼付、塗布があり、生活スタイルに合った投与法で使用することになります。一方、黄体ホルモン製剤は今のところ内服薬のみとなります。いくつか種類がありますが、当院ではデュファストンというお薬を使用しています。本来であればエストロゲンが更年期症状やアンチエイジング治療にとって本質的なホルモン剤となるのですが、子宮がある場合不正出血などのリスクが生じるため、出血のコントロール目的と子宮体がん予防のため黄体ホルモン剤が必要になります。そのため、子宮筋腫などで子宮を摘出しているケースでは出血のリスクはないので、エストロゲン製剤のみでかまいません。

使用方法に関しては、大きく分けて二通りあります。

一つは周期法、もう一つは連続法といわれる方法です。

周期法の特徴は毎月生理を起こす方法で、連続法は生理を起こさない投与方法になります。連続法にはエストロゲン製剤と黄体ホルモン製剤2種類をそれぞれ使用する方法と、二つの成分が一つにまとまった製剤もあります。生理がない連続法のほうがいいと思うかもしれませんが、年齢、子宮のホルモン反応性など考慮して投与法を決めていかないと不正出血など頻発する可能性があります。使用方法は診察の上判断しますので、指示に従って使うようにしましょう。

■ 更年期はいつから?

定義では「更年期とは生殖器(性成熟期)と非生殖器(老年期)の間の移行期をいい、卵巣機能が減退し始め、消失するまでの時期」にあたるとされています。一般的には閉経の前後数年間をいいます。

更年期の時期は個人差はありますが、閉経の前後10年間と考えてよいでしょう。

■ 更年期の症状

冷えのぼせ(ホットフラッシュ)、全身倦怠感、イライラ、うつ状態、肩こりといろいろ起こります。

*年齢や症状からだけで判断することは危険です!いろいろな病気でも同じような症状を引き起こします。

ぜひ私たち専門医にご相談ください。

FAQ更年期治療に関するよくある質問

QUESTION 1.内診は必ず必要なものですか?

必ずしも初回のご相談時に内診をする必要はないと考えております。

しかし、ホルモン剤の使用中には安全のために一年に一度程度の婦人科診察(内診)により子宮や卵巣の状態の確認をさせていただいております。
内診は当院のドクターであればどの医師でも問題ありませんが、治療方針の確認のために定期的な半年に一度以上は院長によるクオリティーチェック(院長チェック)を受けていただいております。

QUESTION 2.ホルモン剤以外の治療方法はありますか?

更年期障害に対する対症療法としては漢方薬による自律神経の調整とプラセンタ(胎盤エキス)によるアンチエイジング療法があります。

また、西洋薬による自律神経の調整も可能ですので診察医とご相談ください。

QUESTION 3.会社検診で婦人科の健診を受けました。内診は必要でしょうか?

更年期障害治療中、特にホルモン療法中は、薬剤の影響によるに子宮、卵巣の状態の変化を把握しておく必要があります。
そのために子宮・卵巣の診察は当院での受けていただくことになっております。(子宮がん検査などは会社健診の結果を参考にさせていただいております。)

QUESTION 4.女性医師の診察は可能ですか?

はい、女性医師による診察・内診は可能です。
事前に希望をお伝えください。